TOPICS(女満別)
生まれは極寒焼き肉の北見市、目の前にはサロマの牡蠣。幼少から牡蠣を炭で焼いては牡蠣パーティが日常で、最近は牡蠣と季節を追って北海道を巡るのが楽しみなオイスターマン 坪井 亜樹(つぼい あき)が隠れたオイスターアイランド 北海道の魅力をお届けするコラムです。
今回ご紹介するのは、NHK連続テレビ小説「マッサン」で一躍有名となった余市町に新ブランドとして誕生した「余市牡蠣」です。
余市町は余市岳から流れ込む大地の養分と北風が運ぶ海の養分をすり鉢状の湾が受止める、昔から食や文化が豊かな町です。竹鶴政孝氏がこの地にウイスキー蒸留所を創業したのは綺麗な水や空気に恵まれた場所だから。その豊かさは今も全国屈指のワイナリー数や、サケやウニの水揚げ量が物語っております。
この水が育てる余市牡蠣は、2016年、日本では数少ないオーストラリア式バスケット(籠)とシングルシード(種苗)を採用し、一般的なぶどうの房の様な「垂下式カルチ養殖」とは違い、一粒牡蠣をカゴの中でコロコロ転がす方式で育てます。
日本人好みの大きくクリーミーな牡蠣ではなく、余市牡蠣は小さな殻に旨味が凝縮し、身や貝柱を一口で食すため牡蠣本来のおいしさが楽しめる、まさに今、世界中の牡蠣愛好家が求めている規格で出荷されます。
さらに牡蠣活動家として注目するのは、牡蠣が誕生したことで地域が繋がり、新たに牡蠣とワインのお祭りが誕生し、小学校では牡蠣とぶどうの「水物語」が授業となり、牡蠣を媒体に新たな文化が生まれていることです。
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今や世界の名醸造地のワインと世界規格の牡蠣。ペアリングが楽しめるのは5月下旬から1カ月間のみ。この期間に開催されるお祭り「海と丘を訪ねるおいしい1日」は、牡蠣と畑のツアーを組み込んだワイナリーピクニック。牡蠣とワインを片手に地域や生産者交流が魅力です。
同じ水で育ったワインと牡蠣のペアリングは皆さまのご想像のままに。
ぜひこの時期に余市町へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
次回は湖に浮かぶ神秘の牡蠣神社をお送りします!